鬱がひどくなった。しかも急激に。
今まで抑えに抑えていたものが急に爆発、まさか大学で身体が動かなくなるとは思わなかった。
心配して鳴る着信も、震えているのはわかるのに腕が、指が、動かない。
動かない。動かない。動かしたいのに動かない。





ようやく出られた着信のおかげで、足音が聞こえる。
でも、あたしは耳元に携帯電話をあてたままだった。
(動かなかった。)
こんなに酷く醜い姿を人前で晒すのは本当に初めてで
身体は動かないし、しゃべりもままならないし、相手の顔をマトモに見ることすらままならない。



信じて信じて、信じることがすべてだった人なのに
どうしてコトバを信じることができない。
人様の善意を、裏返すようなことばっかり考えて、そんな自分がとてつもなく大嫌い。


自分はダメな人間なんだ。


存在する価値なんて微塵もなくて、ならばいっそ関わり合いをすべてなくして消えてしまいたい。
大事な人たちの善意を裏切ってまで、そう思ってしまう自分が疎ましい。
自分がいることによって、まわりに迷惑をかけてしまう。
いない方がいいんだ、自分なんて。


自分がどれだけ、人様に何かを与えることができただろう。
何もできない、何もやれない、足手まといで、人に迷惑をかけるばっかりで
まっすぐな瞳を直視することができない。
どうして誰にもいえなくなった。
どうして心から笑えていない。
甘えるなんて滅相もない、そんなことをする資格もない。




こんなんで、このままでいいのかな。
何をしたらよくなるの?
何をしたら治るの?
物質と音と空気の空間を彷徨って、あたしはずっと呻いている。