命日

本当の本当は、10月20日に連ねておきたかったんだけど、そんなヒマも恐らくないから先に書いておく。


2004年10月20日
私がほんっとうに大好きだった、ちいさなちいさなバンドが解散した。
Crash in Antwarp(クラッシュ・イン・アントワープ)というバンド。
「叙情的」という言葉では表せないほど
胸を締め付けられ、励まされ、
昔を振り返り、前へ進み、
日本語と音楽の美しさに感動した素晴らしいバンド。
もう4年になるんだね。そんな気がしない。だって、こんなに月日が経っても彼ら以上の『音楽』に出逢ってはいないから。


初めてCiAの音楽に触れたのは高校2年の時で、その時は大学1年生だったんです。生きていくことにとっても不慣れで、よくぐらついていたんです。「その日」は大学で授業を受けていたはずです。日課のCiAのWebサイトを見たら、解散していた。「もうここに居たくない」という、穣児の悲痛な声明。ブラウザの前で涙した、あの日。「音楽」で元気をもらうこと、前に進むこと、自分を知ること、街並みを慈しむこと、自然が美しいこと、言葉を紡ぐこと、繋いでいくこと、色んな世界があること、全部CiAが教えてくれたよ。本当なんだ。
少し欠けている月も綺麗で』て言ってたじゃない。欠けている月を見るとふいに思い出す。
微かな光でもいい 都市に転がる鈍色の星』てことも言っていた。渋谷や原宿を外回りしていると、私も鈍色の星かな?って思うんだ。
素晴らしき道へ さぁ素晴らしき未知へ』て。「未知」っていう言葉がこんなに明るく輝いて、光に繋がっていること、初めて知ったんだ。
いろんな感情があることを教えてくれたんだ。こんなの言い出したらキリがない。何年経っても、色褪せることがない。色褪せるわけもない。私にとってCiAは北極星のように遠くで煌々と瞬いて、足元に転がっている石ころのように近くにいる。無限に変化してしまうバンドなんだ。


メンバーをはじめ、私のように未だCiAを忘れられないファンも、そういえばそういうバンドいたね、って思っている人もみんなみんな、何をしているのだろう。私は今日、amazonでCDを買ったよ。CiAの7年前に発売されたインディーズのCD。2枚で15,000円もした。ようやくCD全部揃った。やっとCiAの全部聴ける。値段は正直迷ったけれど、いつまで経っても忘れることができないんだ。毎日の生活がCiAに直結しているんだ。だったら買うしかないじゃない。「その時」には持っていなかったクレジットカードで決済をして

トシとったなぁ。て思った。