「プロ」と言ってもいいですか?

もうすぐ、印刷業界に身をおいて丸三年になるんですが、身をおけばおくほど、自分には足りてないことだらけだということがわかります。だから「もっと勉強しなきゃ!」という焦りに似た思いが脳内をよぎってしまい、ついつい身体が動くのです。それを人は「アクティブ」だとか言うんですが、私にとっては足りないのです。自分が満足できる、それ相応の経験と技術っていうものは、果てがないものだと思います。

だって、「印刷」というものは、すべてに通ずると思ってる。この世に有限するすべてのものが「印刷」に絡めることができるから、学ぶことが多すぎるんですよ。一通り学んだって、今度はその質を向上させなければならない。質があがっても、時代が動いている。今まで学んだことが古くなって、新しいものを吸収する。そうやって、「印刷」自体が生き物のように進化していると思うんです。

大事なことなのでもう一回言うんですが、自分には足りてないことだらけです。色を見る眼だって、紙に関する知識、折りや加工に関することや、実作業の手配など。あ、バカだけどくるくるぱーではないので、勿論一通りのことはわかってるつもりですよ。でも、そこから瞬発力というか、的確なセンスというものが、足りないのです。私、印刷というものに対して、もっと鋭くなりたいのです。それが一番、自分らしいというか、おさまりがいいのです。

お客様をみて的確な判断をしたいです。この人は、何を求めているのだろう。正しい知識だろうか?気の合う仲間だろうか?絶対的な価格だろうか?一昔前は、お客様に教えてもらうっていう意識が多かったのですが、ここ最近は教えてもらうと同時に教えたい意識が強い。なんか、偉そうだけど、曲がりなりにも、私営業なので、私が教えなきゃいけないんだって強く思うんです。抽斗はひとつでも、多いほうが絶対にいい。

地道に歩いてきたこの道に、大きな転機が訪れようとしています。それは、一緒に動いているグループの人や、上長たちから任せられて、はじめてひとりで歩き始めているような気がします。勿論ひとりではなく、支えられて歩いているということはわかるのですが、足りてない私に対して「ひとりでやってみな」って。言われなくても信じられているのがわかります。そんな思いに応えたいから、私のすべてを懸けたいって思うのです。

懸けてないと、不安です。だって世の中には出来る人なんてたくさんいる。それでも私は印刷を通じてこの世を変えたい。影響を与えたい。だからだから、「プロ」と言ってもいいですか?がんばるから、負けないから。真摯な態度で臨むから、自分を懸けて挑むから。だから言ってもいいですか?今回の転機を通じて、私はオトナになりたいです。