ソラニン系女子。
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はじめてページをめくった時の叙景を忘れられることはできない。「東京には魔物が棲んでおります」という一言が忘れられなくて、第一話から、彼らの虜になっていた。
虜になるということは、どこかで「共感」することがあるということだ。井上芽衣子と種田成男の関係性、個人の思い、空気感。
種田のように、一線を超えることはできない。というかしてはいけない。少なくとも、私はしない。でも、わかる。その気持ちが痛い程にわかる。どっかの誰かが囁くんだ「ほんとうにそれでいいの?」って。
いいわけないじゃないか。心から満足したいじゃないか。妥協するということは大事でも、それでも超えてはいけないラインってあるじゃないか。難しいじゃん、そういうの。私一人で決めるんだけど、決めることはできないじゃない。いろんなしがらみとか、迷いとか、現実とか。あるじゃん。あるに決まってるじゃん、生きてるんだから。
でも、種田は超えた。そういう葛藤という部分を蔑ろにして、ぽーんと、超えた。それがあの様だ。だから、私であろうとなかろうと「ソラニン」に共感を抱く人間は、危ういんだと、勝手に思っている。
その後の芽衣子さんのように「何かをする」という行為は、いつ、訪れるのだろうと思う。ムスタングを抱えたあのコマは、芽衣子の決意の現れだ。
「生きている実感」を得るための、決意。そこでくすぶっている私はまさに、ソラニン系女子だと、思ってしまう。