月末までにやりたかったことシリーズ その3

今の自分の状態について、綴っておきたいと思う。

10月のある月曜日から体調を壊した。はじめは深夜に吐いていた。食後、すこしゆっくりしていると、体勢を変えた時に突如食べ物が戻ってきて、洗面台ですこし戻す。その程度の事だった。吐くだけで、他は元気だったから何も気にしていなかった。夜遅くまで残業して、遅くにご飯をモリモリ食べるからくらいのことだろうと思っていた。

それが、3日続いた。3日目は特に酷かった。今まで戻していた量の5倍は戻した。流石におかしいと思った。病院に行くということは、仕事を休むということで、それはできることならしたくはなかった。でも、4日目も吐いたから翌日は内科へ行った。触診だけで特にわかる事は何もなく、胃炎を抑える薬を2種類もらい、胃カメラの予約だけ入った。午前休のつもりだったけど、思いのほか病院に時間がかかり、全休になった。それでも会社へ行って、事務処理を3時間だけこなして帰っていった。

土日でうまいことリフレッシュしようと試みた。でも土曜日は吐いた。日曜日は初めて吐かなかった。食道の途中までこみ上がってきたけれど、耐えることができた。でも、月曜日は吐いた。しかも深夜ではなく、昼間、会社のトイレで吐いた。もう、何がなんだかわからなかった。そこではじめて「感情のコントロール」っていうのが制御不能になって、内科ではなく、心療内科へ行こうと思った。自分で自分を、留めることができなかった。

予約不要で当日初診で見てもらえる病院はあまりにも少なくて、それでも市内も病院でひとつだいじょうぶなところがあった。その病院で簡単なテストをして、問診をうけて「うつ状態」と診断された。うつ状態とはうつ病とは違う。うつ状態が2週間以上続いて、はじめてうつ病になるのだそうだ。それを聞いた瞬間、私は正直安堵した。

この先があるんだって思った。この時でさえ、食欲は湧かず、不眠に陥り、顔はこわばり、抑揚のない感情があり、けだるさを持ち合わせていたのに、それ以上のことがあるんんだと思った。まだ暗い底があるのかと、心底思った。

しかし、わかっていながらも精神的なダメージは大きく、そのきっかけになりうる事象を掘り起こした。あまり思い出したくもないことも掘り起こした。結果、2つのとあることが原因なんだと思った。思い込むことにした。そうしないと、こうなった辻褄があわないから。ここでは、その原因は言わない。とてもネット上で晒すようなことでない。でもその翌日、会社には事情を説明しなければいけないから話した。いろんな人とサシで話したと思う。

なんて醜い人間なんだと思った。つまらないことが引っかかって、うまく自分自身に落とし込むことができない自分を悔いた。でもどうしても府に落ちなかった。というより意味がわからなかった。「どうしてなんだろう」っていう疑問形だけが頭の中を駆け巡り、この状態に陥った。

心療内科では特に薬は処方されず、経過観察になった。でもこういうのは先生との相性というのが大切らしく、もうひとつ、別の心療内科へ行こうと思った。胃炎の薬は処方されても、全く吐く事に関しては改善されることはなく、毎日、毎日、吐き続けた。それでも仕事はした。外回りすることはやめ、内勤につとめ、極力残業はしないようにしていた。

新しい心療内科は、なんだか居心地がよかった、そこで診断されたのが「適応障害」というものだ。その社会にうまく馴染めないということで、そのストレス要因から3ヶ月以内で症状として現れるらしい。あぁ、なんかもう、ドンピシャで納得してしまった。そこではじめて安定剤なるものをもらった。不眠を解消するためのものだ。

胃カメラを飲んだ。私の身体はすごくキレイなピンク色で、胃炎とか、胃潰瘍といった類いのものは何もなかった。そして診療内科で処方された薬はよく効き、不眠はすぐに収まった。だがその代わりに眠い。iPhoneのアラームでは起きれなくなり、ほぼ毎日誰かに叩き起こされるようになった。

その間、こなすことのできる仕事の量はすごく減った。何回か寝坊をした。気分が上がらず外線に出ることが億劫になった。なかには電話上のやりとりで何回か心配をされたりした。何故かすごく寒いときがあった。白湯をすごく飲んだ。のろいなりに仕事した。できないことを悲観的に考えるのではなく、できることをたいせつにこなそうと思うようにした。がんばらないことをがんばった。信じているものに鋭い刃を向けられて、川に身を投じたくなった。でも我慢した。たくさん寝た。一歩ずつ【四半世紀少女】を進めていった。すこし状態がよくなったと思った。そしたら、携帯電話を失くした。今までやらかしたこともないミスも犯した。

誰かの追い風になりたかった。私が存在していることで、元気を与えられるような、前に進むチカラを与えられるような、後押しできるようなものになりたかった。

でもそれができない。少なくとも今はそれができない。
向かい風が強すぎて、今に至るが、それでも尚、追い風になれることを信じている。
何故なら追い風と向かい風は、表裏一体で、身体を反転したら変わるから。
だから、きっと、だいじょうぶだと信じている。信じこんでいる。それを諦めたら、何かが本当に終わる。