雪が鳴いてた。

昔はテレビのニュースで天気予報士の木原さんあたりが
「明日は10年ぶりに雪が降ります!積もります!」
とか言いながら、家の中から窓の外を覗き込む、
そんな感じだったのに、今となってはSkype
「明日大雪らしいっすよ」
みたいな感じでその起こりえる事実を淡々と述べられる。
ニュースっていうか、ネタっぽい感じで。

事実、雪はドカドカ降ったし、
愛する京急も最寄り駅の手前で止まりかかったし
ブーツは雪で濡れてしまうし、吹雪いているから雪を食べるし、足下は白いし、
空は灰色だし、埋もれて明かりは目立たないし。
音のない白い世界は、流れに逆らって帰ることすら億劫で、
そのまま風に飛ばされて消えてしまってもいいかなぁ、なんて。
そんなことを思った。

家に帰って
窓に打ち付ける雪は鳴いていて
何かを訴えているような気がした。
普段はただ降るだけで、何も発しないからこそ
強くバチバチと鳴る雪は、もう助けてほしくて仕方ないような、
そんな悲しい鳴き声だった。