ぼくをかたちづくるもの。

秋と冬の境目。
足元に並ぶ落ち葉がある。色めいた景色がそこかしこにあって「もうすぐ冬がやってくる」と感じた。
それは身体で感じる風の冷たさよりもリアルだった。
去年は何を感じていたのか、正直もう覚えていない。


私は表現者ではない。
ただふつーに毎日を過ごし
ふつーによろこび
ふつーにおちこみ
ふつーにふつーに過ごしているただの人だ。
それ以上でもそれ以下でもない。


自分に特別な能力があるなんて微塵も思っていないし
やることなすことだいぶクズだ。
それでもぼくはぼくだと思う。


何をしていようと、何があろうと
それを最終的に認めてしまえばぼくはぼく。
やらなければいけないことから目を背けているのもぼく。
時折真面目に語りだすのもぼく。
消えたくて仕方ないと結局片隅には思ってしまうのもぼく。
メガネをかけているのもぼく。
ハラダさんって表現者でしょ?と思われるのもぼく。


自分と他人のギャップをいつだってはかる。
根本がずれていなければ、それでいい。


そうやって、ぼくをかたちづくるものは
ぼくだけでなく、まわりの人たちによって成り立っている。


そういう風に、もうひとりの私が答えた。